美容師から、転職したいと考える方は少なくありません。美容師は、美容業界でも人気の職種である反面、労働時間が長かったり、年収が少なかったりすることから、長く続けることが難しいという声もあります。
美容室でスタイリストとして働く以外にも、資格を活かして活躍できる場所はたくさんあります。本記事では、美容師からの転職でおすすめの仕事について詳しく紹介します。
美容業界の営業職
美容師からの転職でおすすめの職種の一つが、美容業界の営業職です。メイク用品やヘアケア用品など、美容関連の商品を扱うメーカーの営業職の場合、美容師として働いた経歴を活かせます。
サロンの多くは、店舗で使用しているシャンプーやトリートメントを、店頭で販売しています。実際に、お客さんに営業した経験を持つという方も多いのではないでしょうか。
ヘアケア商品に関する基礎知識を持つ美容師の方は、美容メーカーに転職した際にも、よい成績を残せる可能性が高いといえます。また、美容系のメーカーだけでなく、美容系ディーラーの営業職もおすすめです。
美容系ディーラーの仕事は、美容室で使用するシャンプーなど、ヘアケア商品の卸売りです。美容室が取引先となるため、経験を活かして関係性を築きやすいでしょう。
他業種の営業職
美容師の方は、美容系以外の営業職にも向いています。美容師として働いている期間に培ったコミュニケーションスキルを活かし、ジャンル問わず、営業職で活躍できるでしょう。
売り上げを伸ばす営業マンは、相手の話をよく聞ける人であるといわれています。美容師の方は、長時間お客さんと向き合う接客スタイルなので、相手の話をよく聞く能力に長けています。
営業職のなかには、売り上げに応じたインセンティブが用意されている会社も多くあります。よい成績を残すことで、美容師時代よりも年収が上がる可能性もあります。
ただし、ノルマの厳しい会社の場合は、精神的なストレスが大きく掛かる恐れもあるので、慎重な会社選びが重要です。
美容師免許を活かせる仕事
美容師になるうえで、取得した美容師免許を活かした仕事も数多くあります。美容師免許を活かせる仕事について詳しく紹介します。
アイリスト
アイリストとは、まつ毛エクステやまつ毛パーマを施術するプロフェッショナルのことです。まつげエクステが日本に広まった当初は、美容師免許は必要ありませんでしたが、トラブルが多発したことから、現在は美容師免許を持っている方しか施術できません。
美容師免許を持っている方は、経験を問わず、サロンでの勤務が可能です。美容院だけでなく、まつ毛エクステに特化したアイリッシュサロンなどでも働けます。
美容師からアイリストへの転職を考える方は、まずは専門スクールや通信講座で、まつ毛エクステやまつ毛パーマの技術を習得するのが一般的です。なかには、未経験でも入社後に技術を学べるサロンもあるため、自分に合った方法を選択するとよいでしょう。
アイリストは、目元に直接触れる施術となるため、繊細な作業が求められます。手先が鍛えられている美容師の方は、経験を活かして、アイリストとしても活躍できるでしょう。
アイブロウリスト
アイブロウリストは、眉毛のスタイリングに特化したプロフェッショナルです。利用者一人ひとりの骨格に合わせて、より魅力的に見える眉毛デザインを施します。
アイブロウリストもアイリストと同様に、美容師免許が必要です。アイブロウについて学べるスクールでも、入学要件として美容師免許の取得が定められていることがほとんどです。
スクールのほとんどは、10時間~30時間ほどで履修できるものとなっており、仕事と掛け持ちしながら通えるのが特徴です。
育毛アドバイザー
育毛アドバイザーとは、育毛専門店のカウンセラーです。育毛アドバイザーは、美容師免許が必要な仕事です。
アドバイザーとして必要な適性は、丁寧なヒアリングができることです。顧客の多くは悩みを抱えて来店しているため、接客力やコミュニケーション能力が求められます。
育毛アドバイザーは、美容師の仕事と重なる部分もあります。カットやカラーリングを行うことはありませんが、ブローやマッサージが主な仕事です。
ブライダルヘアアーティスト
ブライダルヘアアーティストとは、ホテルや結婚式場などで新郎新婦のヘアメイクを行う仕事です。顧客の要望や場面に合わせてヘアセットを調整するため、ヒアリング能力や提案力が求められます。
ブライダルヘアアーティストは、一般的にヘアセットと合わせてメイクも行います。さらに、和装の着付けを行うこともあるので、和装やドレス、ブライダルマナーなど、多岐にわたる知識が必要です。
さらに、結婚式や披露宴は、限られた時間でのヘアセットやメイクが求められるので、テクニックと合わせて、スピーディーな対応が欠かせません。サロンで長年、美容師としての経験を積んでいる方が目指しやすい転職先といえるでしょう。
ただし、結婚式や披露宴の多くは土日祝日に行われるため、土日祝日に休みたいと考える方には向いていません。打ち合わせやリハーサルは夜遅くまで掛かることもあるため、不規則な働き方になりやすい点も注意が必要です。
接客経験を活かせる仕事
美容師として接客を行っていた経験を活かせる仕事も、転職先としておすすめです。美容師からの転職で、おすすめの接客業について紹介します。
美容部員
美容部員は、百貨店やドラッグストアなどの店頭で、メイクアップ商品や基礎化粧品を販売する仕事です。顧客の希望や肌悩みをヒアリングしたうえで、商品を提案するため、美容師としての接客経験が活かせます。
美容部員は、提案だけでなく、新商品を紹介したり、実際にメイクやお手入れを施したりすることもあります。美容部員として働くうえで、美容師免許は必要ありませんが、活かせる場面もあります。
たとえば、ハサミを使った眉毛カットのサービスは、美容師免許を取得していないと行うことができません。ただし、メーカーの方針によっては行わない場合もあります。
美容部員の働き先は、メーカーや百貨店、ドラッグストアなど、さまざまです。それぞれ業務スタイルは異なりますので、自分に合った働き方ができる職場を選択するとよいでしょう。
ネイリスト
ネイリストは、未経験からでも転職できる職種です。利用者の要望をヒアリングしたうえで、デザインを提案したり、お手入れ方法を伝えたりする点では、美容師の仕事と重なる部分もあります。
一般的に、ネイリストを目指す場合、ネイルスクールに通学する方法と、ネイルサロンで働きながら技術を学ぶ方法があります。ネイルに関する国家資格はありませんが、民間企業が実施する技能検定を取得することで、転職に有利になることもあります。
ネイリストは、サロンでの経験を積み、自身での開業も目指せる職業です。
ホテルスタッフ
ホテルスタッフには、さまざまな仕事がありますが、とくにフロントスタッフやコンシェルジュは、お客さんと接する機会の多い職種です。ホテルスタッフは、コミュニケーション能力に加えて、観察力や臨機応変な対応が求められます。
美容師として接客経験を持つ方の転職先として、おすすめの一つです。転職するために必要な条件はとくにありませんが、人気のホテルは求人倍率が高い傾向にあるため、情報収集が欠かせません。
まとめ
今回は、美容師からの転職におすすめの仕事を紹介しました。美容師として培ってきた経験を活かして活躍できる職種は数多くあります。
とくに、美容業界では即戦力として働けるでしょう。ヘアケア用品やメイク用品を取り扱うディーラーの場合、美容室が取引先となるため、関係性を築きやすいといえます。
また、美容師免許を活かせる職種もあります。まつ毛エクステやまつ毛パーマを施術するアイリストは、美容師免許の取得が必須条件です。
まつ毛エクステやまつ毛パーマは、目の周りに直接触れる施術なので、繊細な作業が求められます。手先が鍛えられている美容師の方は、アイリストとしても活躍できるでしょう。